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歌い手菅野千恵のaround me

【ブログを読んでコンサートへ行くともっと楽しい】を目指して綴っています。武蔵野音大声楽科卒業。教員を経て、初志であった音楽の道へ。市井(しせい)の歌い手としてホールに限らず、カフェ・学校・図書館などでも演奏をしています。音楽にちょっとしたお話を添えて、楽しくわかりやすいコンサートを皆様へ。


by 菅野千恵

2015年最後のミニ音楽会準備中♪シューベルトのアヴェ マリアについての誤解。

アヴェ マリアはラテン語で、おめでとうマリアという意味です。そのために、シューベルトのアヴェ マリアが宗教音楽であると誤解されることがあるようです。

本当はスコットランドの詩人ウォルター・スコットの詩物語《湖上の美人》を基に、シューベルトが作曲をした歌曲集の中の一つです。




《湖上の美人》の舞台は、スコットランドのカトリン湖。(画像お借りしました)
美しいですね~。
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アヴェ マリアはこんな場面で歌われます。



王の仇討ちから逃れるため、「湖上の美人」ことエレンは、父親と共にゴブリンの洞穴近くに身を隠していますが、父親の姿が見えません。



エレンは洞窟のそばの灰色の石に座り込んで、父親のことを心配しています。



争いの原因が自分にある考えた父親が、王のもとへ出頭し、 自らの命とひきかえに同志たちの安全を得ようとしているのではないかと案じているのです。



この時、エレンが父親の無事を祈って歌うのがアヴェ マリアなのです。






ミニ音楽会ではドイツ語と日本語で歌いますが
ドイツ語の歌詞の中にJungfrau(ユングフラウ)という語が何度か出てきます。若い女性、乙女という意味です。
歌詞の中では何度か言い換えもありますが、マリアのことも自分自身のこともJungfrau(=乙女)と表現されます。

こんな感じです↓


「優しき乙女よ、一人の乙女の願いをお聞き下さい。」



「おお乙女よ、嘆きにくれるこの乙女をご覧下さい。」



エレンが、マリアを身近な存在と感じ、頼りにしているように私には思えるのです。





父親を案ずる娘の祈りの歌アヴェ マリアは、私達の日常の歌でもあったのですね。













Commented by ejichan555 at 2015-12-08 21:40
はじめて知りました。
ちょっと賢くなったような、そんな感じなりました。
何かの機会で、語ります。
ごちそうさまです。
Commented by kannochie at 2015-12-09 17:12
エジちゃん、ぜひ語ってください。
市井の歌い手冥利に尽きます!
Commented by nyankai at 2015-12-13 11:35
あ~っ、そっかぁ。歌詞が変だと思っていたんですよ。
ラテン語の、いわゆるアヴェ・マリアに歌詞を置き換えて歌っている人がいますね。クリスマスに歌いたいですよねぇ。美しいメロディーだもの。
Commented by kannochie at 2015-12-14 00:39
nyankaiさん。
メロディーの美しさも宗教音楽と間違えられる要因の1つなのでは?と思う程に、崇高な美しさに満ちた曲ですよね~♪
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by kannochie | 2015-12-08 14:07 | コンサート | Comments(4)