芙蓉の花と吉野弘『生命は』

短大の演劇科を受験する生徒さんを持って
様々な詩に触れることができました。

『生命は』という詩は、
こちらの芙蓉の花から発想を得たそうです。《花言葉事典より》

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芙蓉の花はめしべが長いために、自らの花粉をめしべが受け取りにくくなっています。 受粉のために、虫や風といった他者を必要とするシステムが自然の中にあるのですね。





生命は
                                      吉野弘
生命は
自分自身だけでは完結できないように
つくられているらしい
花も
めしべとおしべが揃っているだけでは
不充分で
虫や風が訪れて
めしべとおしべを仲立ちする

生命はすべて
そのなかに欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ

世界は多分
他者の総和
しかし
互いに
欠如を満たすなどとは
知りもせず
知らされもせず
ばらまかれている者同士
無関心でいられる間柄
ときに
うとましく思うことさえも許されている間柄
そのように
世界がゆるやかに構成されているのは
なぜ?

花が咲いている
すぐ近くまで
虻の姿をした他者が
光をまとって飛んできている

私も あるとき
誰かのための虻だったろう

あなたも あるとき
私のための風だったかもしれない








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by kannochie | 2015-09-05 15:07 | 大切なこと | Comments(2)
Commented by nyankai at 2015-09-05 21:45
来てみました。プロの歌い手さんなんですね。すばらしい。
私は、強いて言えば、合唱バカです。音楽の教員免許は持っていますが、さっさと退職してしまい、音楽のおいしい所だけを食らいながら、今年還暦を迎える「Merry Widow」です。
吉野さんの詩がご縁だなんて、光栄です。
Commented by kannochie at 2015-09-05 23:10
nyankaiさん。
ご訪問ありがとうございます。
私は諦めが悪くて、歌い続けております。
吉野弘さんの詩、しみますよね~!

コメントありがとうございました。
これからも、よろしくお願いします~♪
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